「平凡は妙手に勝る」 中国の小学校がAI将棋を導入する理由

“平凡胜于妙手”中国小学引入人工智能象棋的理由
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【東方新報】中国には、象棋(シャンチー)という将棋がある。日本の縁台将棋のように道ばたの長椅子を囲み、おしゃべりをしながら対局するおじさんたちを時々見かけることがある。
その競技人口は1億人とも2億人ともいわれ、マージャンや卓球と並ぶ中国の国民的な娯楽である。日本でも、将棋の故大山康晴(Yasuharu Oyama)15世名人が1973年に日中象棋協会(現・日本シャンチー協会)を設立し、熱心に普及したことでも知られる。

像日本有将棋一样,中国也有象棋,经常会看到很多围坐在路边长椅边聊天边下棋的大叔们。
据说中国象棋比赛的人口有1亿、2亿之多,是与麻将、乒乓球一样的中国全民娱乐。在日本,已故象棋大师大山康晴(Yasuharu Oyama) 15世在1973年创立了日中象棋协(现日本象棋协),并热心地在致力于象棋的普及。

シャンチーは7種類16枚の駒を使って2人で対戦するが、将棋と違って取った駒を再び盤上に打ち下ろすことはできない。どちらかというと将棋よりもチェスに似たゲームだ。最近では、中国の象棋界も日本の将棋界と同じように人工知能(AI)の話題で盛り上がっている。
11月4日まで中国・安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)で開催されていた中国のマインドスポーツ大会「第5回全国智力運動会」には、象棋のほか、囲碁やチェス、ブリッジなど6分野58競技に6歳から76歳まで約5000人が参加した。大会会場では、AIとボードゲームの未来をテーマにしたシンポジウムやAIとの対戦体験などの展示も。さながらAIの展示会のようだった。

“象棋”使用7种16枚棋子进行两人对战,但与将棋不同的是,取下的棋子不能再下到棋盘上。总的说来是比将棋更像国际象棋的游戏。最近,中国象棋界也和日本棋界一样,因人工智能(AI)的话题而热闹起来。
截止到11月4日在中国安徽省合肥市举行的中国“第五届全国智力运动会”上,除了象棋类外,还有围棋、国际象棋、桥牌等6个领域58个竞赛项目,参赛年龄为6岁至76岁。共有5000多人参加了该活动。大会现场将举行以人工智能和桌游的未来为主题的研讨会,并展示与人工智能的对战体验等。简直就像是人工智能的展示会。

中でも注目されたのは、中国の画像認識大手である商湯集団(SenseTime)が2022年8月に発表した家庭向け象棋ロボット「SenseRobot(センスロボット)」だ。標準モデルで約2000元(約4万円)と家電並みの価格ながら、アームで駒を動かすこともできるリアルな対戦体験ができる。その腕前も初心者からプロ級まで26段階に調整することができる。
すでに象棋の世界では、家庭向けの商品であってもAIは人間よりも強くなってしまっている。2022年10月に上海で実施されたセンスロボットと名人たちの対局では、センスロボットの圧勝だった。象棋よりも複雑だといわれる囲碁の世界でも、AI囲碁ロボット「アルファ碁(AlphaGo)」が2016年に、囲碁世界チャンピオンの韓国の囲碁棋士・李世ドル(イ・セドル、Lee Se-Dol)氏を破っている。

其中最引人注目的是中国图像识别巨头商汤集团(SenseTime)于2022年8月推出的家庭用象棋类机器人“SenseRobot”。标准模型约2000元(约4万日元),虽然价格和家电差不多,但可以用机械臂移动棋子,体验真实的对战。其水平也可以从初学者到专业级,共分为26个阶段。
在象棋界,即使是面向家庭的商品,AI也比人类更强大。2022年10月,在上海举行的“SenseRobot”与名人的对弈中,“SenseRobot”取得了压倒性的胜利。即使是在号称比象棋类复杂的围棋世界,人工智能围棋机器人“阿尔法GO”(AlphaGo)也于2016年,在围棋世界冠军韩国围棋棋手李世石(Lee)Se-Dol)。

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すでに囲碁や将棋などマインドスポーツのプロの世界では、AIを活用して定石を研究し、その技を磨くのが常識になっている。広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の小学校では2022年9月から、中国で初めてAIを活用した授業の一環として象棋ロボットを導入し、子どもたちは日々AIと対戦して腕を磨いている。
もっとも、教育現場へのAI導入に対しては、「AIに勝てないプロ棋士を育てることに意味はあるのか」などと否定的な声があるのも事実だ。AlphaGoに敗れたイ・セドル氏も2019年に引退を表明した際に「自分が(人間の大会で)1位になったとしても、敗北しない存在(AI)がいる」と述べている。

在围棋、将棋等精神运动的专业领域中,利用人工智能研究定式并磨练其技能已经成为常识。从2022年9月开始,广东省广州市的一所小学将象棋类机器人作为中国首次利用人工智能教学的一环,让孩子们每天与人工智能对战,以提高自己的技能。
不过,在教育现场导入人工智能,确实存在一些否定的声音,例如“培养无法战胜人工智能的专业棋手有意义吗?”输给AlphaGo的李世石也在2019年宣布隐退时表示:“即使我(在人类比赛中)获得第一名,也还是有着一个不会被打败的(人工智能)存在。”

一方、先ほど紹介した全国智力運動会のシンポジウムでは、「AIを排除するよりも共存して活用する方がずっと生産的」という趣旨の意見が多数派だったという。実際にAIと対戦し、その圧倒的な強さを知ったプロ棋士とアマチュアの感じ方が異なるのは仕方ない。AIへの向き合い方も人それぞれだろう。
「平凡は妙手に勝る」。象棋を日本に広めた大山名人の格言だという。この格言は、AI象棋の導入を決断した中国の小学校にも当てはまりそうだ。AI対策の妙手を探るより、まずは平凡に使ってみる方が良さそうとの判断である。(c)東方新報/AFPBB News

另一方面,在刚才介绍过的全国智力运动会的研讨会上,多数人认为“与其排斥AI,不如与之共存活用更有效率”。在与人工智能对战的过程中,专业棋手和业余棋手对人工智能的压倒性优势有着不同的感受,这也是无可奈何的。面对人工智能的方法也因人而异。
“平凡胜于妙手”。据说这是将象棋在日本推广开来的大山先生的格言。这句格言似乎也适用于决定引入AI象棋类的中国小学。也就是说,与其寻找AI对策的妙招,还不如先平凡地使用。