細胞が若返るオートファジー機能 活性化で「老い」を抑制 食事、睡眠、運動の改善が有効

通过激活细胞返老还童的自我吞噬功能来抑制“老化”,有效改善饮食、睡眠和运动


■日々、細胞をメンテナンスする調整役の「オートファジー」機能
老化すると顔にシワが刻まれ、体力もなくなってくる。これは一種の「経年劣化」で、年を取れば誰もがそうなる、と捉える人が多いだろう。しかし、「生物という目で広く見ると、死なないベニクラゲや年を取らずにあるとき突然死ぬハダカデバネズミなど、いろいろな種がいます。では、なぜ人間は老化し死ぬのか。そのスイッチの在処(ありか)がわかれば解除することもできる、というのが私の考え」と話すのは、大阪大学大学院生命機能研究科・医学系研究科の吉森保・栄誉教授だ。

■日常维护细胞的调整角色的“自我吞噬”功能
老化后脸上会刻上皱纹,体力也会消失。这是一种“经年劣化”,很多人都认为上了年纪谁都会变成这样。但是,“从生物的角度来看,有不会死的海蜇和也有会突然死去的哈达卡德巴老鼠等各种各样的物种。那么,为什么人类会老化死亡呢?我认为只要知道这个开关的所在,就可以解除。”大阪大学大学院生命机能研究科・医学系研究科的吉森保・荣誉教授说道。


吉森栄誉教授の研究対象は「オートファジー」。「オート」とはギリシャ語で「自分」、「ファジー」は「食べる」で、細胞が自らの成分を分解する「自食作用」のことを言う。大隅良典東京工業大学栄誉教授がオートファジーをつかさどる設計図となる遺伝子を酵母から発見した功績により、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞。ともに研究に携わってきた吉森栄誉教授は現在、動物やヒトでの応用も踏まえて研究を進めている。
オートファジーとは「細胞の内側で日々営まれている回収と分解、リサイクルの仕組みのこと」(吉森栄誉教授)。「隔離膜」がゲームのパックマンのように細胞の中にある物質を包み込み、球体の「オートファゴソーム」になると、消化酵素を備える「リソソーム」という器官と混じり合い、「オートリソソーム」に。オートリソソームの中ではたんぱく質などが分解され、再利用される
「私たちは1日に70gほどのたんぱく質を食事からとっているが、それ以外にこのオートファジーのみで1日に240g、ステーキ1枚ぐらいのたんぱく質を作りだしている」(吉森栄誉教授)。オートファジーが作り替えるのは「1日あたり細胞の中身の1~2%ほど」(吉森栄誉教授)だが、これが約37兆個ある全身の細胞すべてで行われる。
細胞の内側で日々こまめに行われているお掃除=オートファジー機能

吉森荣誉教授的研究对象是“自我吞噬”。这是指细胞分解自己成分的“自食作用”。大隅良典东京工业大学荣誉教授从酵母中发现了掌管自动模糊的设计图——遗传因子,2016年获得诺贝尔生理学·医学奖。
所谓自我吞噬是指“每天在细胞内部都在进行回收和分解以及再利用”(吉森荣誉教授)。“隔离膜”像打包员一样将细胞中的物质包裹起来,变成球体“Autofagosom”,这会和具备消化酶的器官混合,变成一个“自动清理场”。在自动清理场中,蛋白质等被分解,再利用
吉森荣誉教授说:“我们每天从饮食中摄取70g左右的蛋白质,除此之外,每天靠这个清理场就可以生成240g、一块牛排左右的蛋白质。”。虽然只占“每天细胞中的1~2%左右”(吉森荣誉教授),但这是由全身大约37兆个细胞进行的工作。
所以自我吞噬功能就是每天都在细胞内部进行的细致清扫
而其对身体的作用大致分为以下3种。

1 飢餓状態のときに栄養を作り出す
飢餓状態になったときに、細胞の中身を分解して栄養源にする。ぼぼ飢餓に近い状態で生まれてくる出生時のマウス体内では活発にオートファジーが起こっていることから人間でも同様だと推定される。

1在饥饿状态下创造营养
在饥饿状态下,将细胞内的内容分解成营养源。由于在接近饥饿状态下出生的老鼠体内会频繁地发生自我吞噬现象,所以推断人类也会这样。

2 細胞内の新陳代謝を行う
日々、細胞の内側で分解と合成を繰り返す。「少しずつ、中身を壊しては新たなものを作るという働きは、車の部品を毎日少しずつ新品に交換することと同じ。オートファジーが続く限り、細胞は数十日単位で新車の状態に生まれ変わる」(吉森栄誉教授)。
オートファジーの仕組みは全身に約37兆個ある細胞すべてで起こっているが、特に重要なのが神経細胞や心臓の心筋細胞での働きだという。「胃や腸の表皮細胞は1日、赤血球は3~4カ月のサイクルで細胞が入れ替わるが、神経細胞や心筋細胞はほぼ一生入れ替わらないまま。だから、これらの細胞でオートファジーが正常に働かないと病気になりやすくなる。実際にオートファジーが働かない状態にしたマウスでは脳の神経細胞に問題が生じ認知症のような症状が出たり、心不全になったりすることがわかった」(吉森栄誉教授)。

2进行细胞内的新陈代谢
每天在细胞内部反复分解和合成。
一点点地破坏内在,然后制作新的东西,这和每天一点点地更换新的汽车零件是一样的。只要自我吞噬还在继续,细胞就会以数十天为单位重新变成新车的状态。
自我吞噬的组织在全身约37兆个细胞都在发生,特别重要的是神经细胞和心脏的心肌细胞。“胃和肠的表皮细胞1天内,红血球3~4个月的周期内进行细胞交替,但是神经细胞和心肌细胞几乎一辈子都不会换新。所以,如果这些细胞不能正常工作的话,很容易生病。实际上,老鼠的脑神经细胞没有自我吞噬功能,所以很容易存在问题。


3 体にとって有害な物質を狙い撃ちして除去する
オートファジーは細胞内にあるものをなんでもパクパク取り込んで分解する仕組みだと考えられてきたが、吉森栄誉教授はオートファジーには体に有害になるものを見分け、狙い撃ちして取り込む働きがあることを世界で初めて発見した[1](写真)。つまり、病原体を攻撃する「自然免疫」のような役割もオートファジーは果たしているのだ。
オートファジーが狙い撃ちするのは、病原体だけでなく、体内で増えると問題を起こす塊状態のたんぱく質(アルツハイマー病やパーキンソン病の原因となる)、穴が開いたミトコンドリアなど(活性酸素が漏れ出す)。「異常な排除すべきものだけに目印がつき、それを見分けて排除するという非常によくできた仕組みがあることもわかってきた」

3 除去对身体有害的物质
一般认为自我吞噬是将细胞内的所有东西都可以大口地吸收并分解的结构,但是吉森荣誉教授在世界上第一次发现自我吞噬有着分辨对身体有害的东西,并精准狙击,将其吸收掉的作用。也就是说,像攻击病原体的“自然免疫”一样的作用。
自我吞噬狙击的不仅仅是病原体,一些比如在体内增加的话会引起问题的块状蛋白质(阿尔茨海默病和帕金森病的原因),开了孔的线粒体等(活性氧泄漏)都会成为其目标。“我们也明白了,只有异常的应该排除的东西才有记号,这是一个有着能够区分并排除他们的好功能。”


■60歳頃からオートファジーの働きは低下
その働きは加齢とともに低下すると考えられている。「恐らく、オートファジーは60代ぐらいを越えると急速にその働きが低下する。各種の動物で加齢による低下が観察されているし、ヒトの免疫細胞などでも確認されている。抗体産生の低下やがん、パーキンソン病などオートファジーと関連する病気の発症率がこの年代で一気に増えることと関係があるかもしれない。まだ仮説の段階ではあるが、ある年齢に達してオートファジーが低下してしまうことが発がん率を高める大きな要因になっている可能性がある」(吉森栄誉教授)。
老化によってオートファジーの働きが低下する「スイッチ役」となるのは何か。吉森栄誉教授はオートファジーにブレーキをかけるたんぱく質を発見した。そして、高脂肪食の摂取により脂肪肝になった肝臓ではルビコンが増えていることがわかった。人類の長い飢餓の歴史で、たまに食糧にありついたときに脂肪を肝臓に保持するため、オートファジーにブレーキをかける働きが作られたのでは、と吉森栄誉教授は推測する。
ではルビコンをなくしたらどうなるのか。ルビコンを肝臓で作れないマウスを遺伝子操作によって作ったところ、高脂肪食を与えてもオートファジーが低下せず脂肪肝にならなかった[2]。
さらに吉森栄誉教授は老化にも着目。老化とともに全身の臓器でルビコンが増える。そこで、ルビコンをなくした線虫(ヒモ状の動物。老化・寿命の研究でよく用いられる)で実験をすると寿命が1.2倍伸び、2倍ほど活動的になった[3]。
吉森栄誉教授は、「集団として生きるなかでヒトの体内で老化のスイッチを押すという仕組みが作られたのなら、それは“仕組まれたことだから阻止できる可能性がある”と考えている」と言う。
老化のスピードをゆるめることが今後可能になっていくかもしれない。

■60岁左右开始,自我吞噬的功能低下
自我吞噬功能随着年龄的增长而下降。“恐怕过了60多岁的话,其功效会急速下降。在各种动物身上都观察到,随着年龄的增长这一功能会降低,人的免疫细胞也是一样的。这或许也与抗体生产的降低、癌症、帕金森病等疾病发病率在这个时期突然增加有关。虽然还处于假说的阶段,但随着年龄的增长自我吞噬的下降可能成为提高发病率的重要原因”。
那么是什么导致了老化后,自我吞噬的作用降低呢?吉森荣誉教授发现了抑制自我吞噬的蛋白质。而且,在经常摄取高脂肪食物而变成脂肪肝的肝脏中发现,这种蛋白质非常多。吉森荣誉教授推测,在人类长期饥饿的历史中,为了偶尔断粮的时候能够有营养物质,就会把脂肪保存在肝脏里,于是对这种自我吞噬功能就会进行抑制。
那么如果失去了这种蛋白质的话会怎么样呢。通过基因工程,制造了无法用肝脏产生这种蛋白质的老鼠,研究发现,即使给它高脂肪食物,自我吞噬也不会降低,所以就不会形成脂肪肝。
吉森荣誉教授说:“如果这是一个人类发展过程中产生的一种预防饥饿的机制,那这就是被基因安排好的事情,所以是有可能阻止的。
这一研究今后可能可以减缓老化的速度。


■睡眠、運動、食事でオートファジーを維持
脂っこい食事をとることや、加齢によってオートファジーのブレーキ役となるルビコンは増えるようだ。
では、できるだけオートファジーの機能を落とさず維持するために、私たちが心がけられることはあるのだろうか。
「オートファジーが一気に低下するのは60代以降だと思われるが、これは平均値で、老化というものは個人差が非常に大きいことが知られている。その個人差を決めるのは環境要因が大きいと考えられる」(吉森栄誉教授)。
環境要因としてまず意識したいのが「睡眠」だ吉森栄誉教授は、「オートファジーは寝ている間に活発になるが、このとき満腹状態で血中にアミノ酸がたくさんあるとオートファジーが抑えられてしまう。夕食を食べてすぐ寝ることはオートファジーの活性化を妨げる可能性が高い。夕食は早めの時間に食べて寝るまでの時間をあけることを個人的にはお薦めしたい」という。

■通过睡眠、运动、饮食来维持自我吞噬
吃油腻的食物,随着年龄的增长,这种抑制自我吞噬的蛋白质就会增加。
那么,为了尽可能保持自我吞噬的功能,我们有什么需要注意的吗。
吉森荣誉教授说:“一般认为自我吞噬功能会一下子下降是在60岁以后,但这是平均值,老化的个体差异很大,决定个人差异的环境因素也很大。
作为环境因素,首先要意识到的是“睡眠”。在睡觉的时候这个功能会变得活跃,但是这时如果处于饱腹状态下,血液中含有很多氨基酸的话,就会抑制自我吞噬功能。吃完晚饭马上睡的话,很有可能阻碍自我吞噬功能的活性化。我个人建议睡前不要吃晚饭”。