姉を殺害した弟 「良かったね」と語りかける母親 法廷で語られる歪んだ“家族の形”

弟弟杀害姐姐,他们的母亲说“太好了”,在法庭上所述说的扭曲的“家庭形态”


交通死亡事故が殺人事件に 姉を殺害した罪に問われた弟
2020年10月、警察から「交通単独事故」として報道発表された事故。およそ1カ月半後、運転していた男が殺人容疑で逮捕された。事故の真相は、弟が、故意に事故を起こし、同乗していた実の姉を殺害した「殺人事件」だった。そして、その裁判が始まった。
高沢翔悟被告(22)は、千葉県・市原市で、車を走行中に、故意に速度を加速させながら、法面へ乗り上げ、電柱に衝突させるなどして、同乗していた実姉の絵里香さん(当時26)を殺害した罪に問われている。
初公判で起訴内容認める 父親は「寛大な処分を・・・」
9月30日、千葉地裁で開かれた初公判に、高沢被告は頭を丸刈りにして出廷。検察官が朗読する起訴状を、姿勢正しく、前を見つめたまま聞いた後、裁判長に「事実に間違いはありませんか」と問われると、はっきりとした大きな声で「間違いありません」と答えた。

从交通死亡事故到杀人事件,弟弟被控杀害了姐姐。
2020年10月,被警方报道为“交通单独事故”的事故。大约一个半月后,驾车男子以杀人嫌疑被捕。事故的真相是,弟弟故意制造事故,杀害了同车的姐姐。然后,关于此事的审判就开始了。
被告高泽翔悟(22岁)涉嫌在千叶县市原市开车时,故意加速,开上路边的斜坡,撞到电线杆,将同车的亲姐姐绘里香(当时26岁)杀害。
在首次公审中,承认了起诉内容的父亲说:“希望宽大处理……”
9月30日,在千叶地方法院举行的首次公审中,被告高泽剃着光头出庭。他姿势端正、直视前方地听完检察官宣读的起诉书之后,当审判长问他“事实是否有误”时,他用清晰响亮的声音回答说:“没有错。”

法廷では、検察官が父親の供述調書を読み上げた。
父親の供述調書:
翔悟は優しい子で、殺人犯と報道されると心苦しい。翔悟なりに考えた結果で、できるだけ寛大な処分にしてほしいと考えている
自分の娘でもある絵里花さんが殺害されたにもかかわらず、高沢被告を強く非難することはなく、寛大な処分まで求めていたとは…
午後に、母親が証言台に立つと、弁護側・検察側双方から高沢被告について質問が飛んだが、同じかそれ以上に亡くなった姉・絵里花さんについての質問が集中した。
「なんで私を産んだ」と訴える姉 その時、弟は・・・
高沢被告は両親と姉の絵里香さんと4人暮らし。高校卒業後に勤務していた工場を辞めると仕事はせず、祖母の介護や家事などをしていた。

在法庭上,检察官宣读了父亲的口供。
父亲的口供记录:
翔悟是个温柔的孩子,被报道成杀人犯,让我心里很难受。这是翔悟自己考虑的结果,希望尽可能宽大处理。
明明自己的女儿绘里花被杀害了,却没有强烈谴责被告高泽,甚至要求宽大处理……
下午,高泽的母亲站在证人台上,辩方和检方都提出进一系列关于高泽的问题,但更多集中在了高泽的姐姐绘里花身上。
姐姐抱怨“为什么要生我”的时候,弟弟……
被告高泽与父母、姐姐绘里香四人一起生活。高中毕业后,他辞去了工厂的工作,不再工作,开始照顾祖母和做家务。

姉の絵里香さんは長年、メンタルクリニックに通い、うつ病や発達障害の診断を受けていた。事件が起きた20年は、仕事をしておらず、家に閉じこもる生活を続けていた。
家庭内で、「死にたい」「殺してくれ」「なんで私を産んだの」などと、頻繁に訴えてくる絵里香さん。その度に、母親は落ち込み、それを高沢被告が慰めてくれることもあったとのこと。そして母親は、息子が犯した罪について問われると、次のように証言した。
母親は、殺害された姉に「良かったね」と語りかけた
高沢被告の母親:
殺人というのは私にはあまり…腑に落ちない。翔悟本人も死にたい気持ちがあり、将来を悲観していた。絵里香も、常々死にたいと言っていた。それを叶えたんだろうと、無理心中で自分もだと思う

姐姐绘里香长年在心理诊所接受抑郁症和发展障碍的检查。在事件发生的20年里,她都没有工作,一直过着闭门不出的生活。
绘里香经常在家里抱怨“我想死”、“杀了我”、“为什么要生我”。每次母亲都很沮丧,被告高泽也会安慰她。当母亲被问及儿子犯下的罪行时,她做出了以下证词。
母亲对被杀害的姐姐说:“太好了。”
被告高泽的母亲:
杀人对我来说不太…能认同。翔悟本人也想死,对未来很悲观,绘里香也经常说想死。我觉得是实现了他们的愿望,是无理心中(逼着对方和自己双双去自杀)

高沢被告の母親:
絵里香が亡くなったことは、もちろん悲しいのは当たり前です。ただ、あれだけ(死を)望んでいたので「良かったね」と言ってあげました
言葉を絞り出すように、涙声で証言を続ける母親。その姿をまっすぐ見つめていた高沢被告も、時折、袖で顔を拭った。
弟は心神耗弱状態か 刑事責任能力の程度が争点に
弁護側は「高沢被告は犯行時うつ病により、心神耗弱の状態で、価値のない自分と姉は生きているべきでないという狭い思考を抜け出すことが困難だった」と主張。一方、検察側は犯行時、心神耗弱の状態だったことを認めた上で、「大きく責任非難を低減させるものではない」と指摘した。
裁判は、刑事責任能力の程度などが争点となる。悲劇を生んだ、いびつな「家族の形」を、一般市民である裁判員がどう判断するかが注目される。

被告高泽的母亲:
绘里香去世了,当然会悲伤。只是,她这么希望死,所以只能说:“太好了。”
母亲哽咽着做着证词,一直盯着那个身影的被告高泽也不时用袖子擦脸。
弟弟处于精神衰弱状态,有没有刑事责任能力成为争论的焦点,
辩方主张:“高泽在犯罪时患有抑郁症,处于精神衰弱状态,很难摆脱从没有价值的自己和姐姐不应该活下去的狭隘思考中摆脱出来。”另一方面,检方承认犯罪时处于精神衰弱状态,但指出:“不能大幅降低责任非难。”
审判的焦点是刑事责任能力的程度等。对于酿成悲剧的扭曲的“家庭形态”,作为普通市民的审判员将如何判断,备受关注。