人が1日に排泄する糞便の量に、国によって3倍も差があるということをご存じでしたか? この差の原因はいったいどこにあるのでしょうか? 

一个人一天的排便量,根据国家不同竟然有3倍的差别你知道吗?这个差别的原因到底在哪里呢?

日本人の糞便の量が減っている
いったい人間は一生でどのくらいの量の糞便を排泄するものだろう。
健康な大人の日本人が1日に排泄する量は、これまでの調査から平均およそ200グラムといわれている。個人差が大きく、体重、年齢、性別によって、また食習慣や健康状態によって相当の差があるが、仮設トイレは200グラムを基準に設計されることが多い。
1日200グラムとして仮に80歳まで生きるとすると、幼少期や高齢期での量を少なめに見積もっても、一生ではざっと5トン近くになる。中型トラック1台でやっと運べるぐらいの重さだ。

日本人的排便量正在减少
到底人一生中要排出多少粪便呢?
健康的成年日本人一天的排便量根据调查平均为200克。个人差别当然也很大,同时根据体重、年龄、性别不同,还有饮食习惯和健康状态的差异,就会有相当的差别。不过理论上厕所是按照200克的基准设计的比较多。
如果一天200克,那么活到80岁为止的话,就算把幼年期和老年期的量少算点,也估计一生要有5吨重左右。这是中型卡车勉强可以一次搬运的重量。

ずいぶんすごい量と思うだろうか。だが、1日平均約400グラムといわれていた戦前と比べると、日本人の糞便の量は半減している。減った原因は食物繊維の摂取量の減少にある。戦前の日本人は1日平均約30グラムの食物繊維をとっていたのに対し、現代日本人はようやくその半分の15グラムをとるに過ぎない。
糞便は消化されなかった食物繊維、すなわち食物のカスと考えられているが、じつは繊維そのものは重さの5%程度を占めているだけで、60%以上は水分である。残りは新陳代謝して剥がれ落ちた腸の粘膜組織や細胞、腸内細菌やその死骸などが合わせて30~40%含まれる。消化できなかった繊維のカスは、水分を多く取り込んで糞便の重量を増やしている。

有人也许会觉得这还真是多呢。不过和战前一天平均400克的量相比,日本的排便量已经减半了。减少的原因在于食物纤维摄取量的减少。战前日本人一天平均摄取的30克的食物纤维,而现代日本人的摄取量只有一半的15克。
很多人认为粪便是没有消化的食物纤维也就是食物的残渣,但实际上纤维本身只占重量的5%左右,剩下60%以上是水分。其余是新陈代谢中从肠道上脱落的黏膜组织、细胞、肠内细菌和它们的死骸,总计30~40%。没有消化的纤维残渣吸收了大量水分增加了粪便的重量。

世界で最もたくさんのカロリーを摂取し、大きな身体を維持している米国人の糞便量は、1日せいぜい150グラムと日本人の4分の3程度である。米国人の排泄量が少ないのは、脂肪やタンパク質、糖質が多く、食物繊維が少ない食生活のせいだ。
一般に、欧米人は糞便量が少なく、150グラムなら多いほうで、平均80~120グラムと報告している調査もある。日本人の近年の糞便量の減少には、食事の欧米化の影響が見てとれる。

实际上摄取最多卡路里,维持着庞大身躯的美国人的粪便量也只是一天150克左右,只有日本人的四分之三。美国人的排便量如此少的原因在于,饮食结构中脂肪、蛋白质、糖分很多,食物纤维很少的缘故。
有调查指出,一般来说欧美人的排便量都很少,150克已经是多的了,平均为80~120克。日本人近年排便量减少也有饮食中欧美化的影响。

アフリカで生まれた食物繊維仮説
ちなみに、アフリカ中央部ウガンダの村落に住む人々の平均排泄量は1日470グラム。米国人の3倍以上にのぼる。
ウガンダ人の糞便の量が欧米人に比べて著しく多いことにはじめて着目したのは、この地で20年あまり診療をおこなったアイルランド出身の外科医デニス・バーキッ(1911~1993)だった。

非洲诞生的食物纤维假说
顺便一提,非洲中部乌干达村落里的居民一天的平均排便量为470克,达到美国人的3倍以上。
首先发现乌干达人的排便量比欧美人多出这么的多的是在这个地方进行20年诊疗的爱尔兰出身的外科医生巴基。

バーキットは、糞便の量の多さとともに、重要なことに気がついた。欧米人に比べて、アフリカの人々には心筋梗塞や狭心症などの心臓病、2型糖尿病、肥満、胆石、大腸がん、炎症性腸疾患、痔、便秘などが少ないのだ。彼らは、精製されないままの穀物、豆、野菜など、繊維の多い食物を主に食べていた。
バーキットはさらに、インドや日本などの(当時は)伝統的な食事をとっている国々の人についても広く疫学調査をおこない、何の栄養にもならない不消化物と思われていた食物繊維こそ、こうした病気を予防するのに役立っているのではないかと指摘した。

巴基伴随排便量多少问题,还发现了一个重要的事实。和欧美人相比,非洲人罹患心肌梗塞、狭心症等心脏病、2型糖尿病、肥胖、胆结石、大肠癌、炎症性肠疾病、痔疮、便秘的可能性更少。他们经常吃没有精制的谷物、大豆和野菜这些含有大量纤维的食物。
巴基还通过对日本印度当时吃传统食物的国家进行广泛的医学调查,发现本来以为没有任何营养的不能消化的食物纤维才是对于这些疾病预防起作用的。
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今日、繊維の多い食物には健康上多くの利点があることがわかっている。食物繊維は大腸の自然な蠕動(ぜんどう)を促し、水分を吸収して糞便の量を増やすほか、胆石の原因になる胆汁酸を吸着し、高血圧の原因になるナトリウムも吸着してくれる。
大腸では腸内細菌のバランスをよくすることに役立っている。バーキットは、医学専門誌に多くの論文を発表しただけでなく、1979年には『食物繊維を忘れずに』(未邦訳、原題 Don't forget fibre in your diet)という一般向けの本を書いて、食物繊維の多い食事をとることがいかに有益かを熱心に説いた。

今天,我们发现纤维多的食物在健康上有很多好处。食物纤维除了可以促进大肠的自然蠕动,吸收水分增加排便量,同时可以吸附胆结石的原因之一的胆汁酸,也能吸附高血压的原因之一的钠元素。
对于维持大肠内的细菌平衡也很有作用。巴基不仅在医学专门杂志发表了很多论文,同时在1979年写了“不要忘记食物纤维”这样的一般书籍,强烈讲解多吃食物纤维对身体有益的观点。

学会で発表や講演をするとき、彼は「その国の人の健康状態は、糞便の大きさを見ればわかる。便が大きい国では病院は小さくてすむ。便が小さければ大きな病院が必要だ」といい、早朝ウガンダの森を散歩中に撮影した人糞のスライドをしばしば見せたそうだ。学会に集まった聴衆はそのたびに辟易したり笑ったりしながら、やがてなるほどと納得するのだった。
大腸がんと食物繊維、心臓病と食物繊維についてのバーキットの「食物繊維仮説」は、のちの研究者によって修正された部分もあり、付け加えられた点もあるが、今日も着眼点の正しさが認められている。バーキットは、目の前の現象に鋭く気づく能力、さらにそれを原因と結びつける直感力、そして信じるところをわかりやすく語る表現力と熱意に恵まれていた。

在学会发表和演讲中,他这样说道。一个国家的人的健康状态通过大便的大小就可以明白。大便大的国家医院就小,大便小的国家就需要大医院。同时展示出早上在乌干达森林里散步时拍摄的人粪的幻灯片。学会中聚集的听众,一边笑一边觉得难以接受,但最后还是认同了这个观点。
大肠癌和食物纤维有关,心脏病和食物纤维有关的巴基的“食物纤维假说”虽然又被后面的研究者修正的部分和添加的地方,但是现在也承认着眼点的正确。巴基有着敏锐察觉眼前现象的能力,同时有着将其和原因连接的直觉,以及将自己相信的内容通俗讲述的语言表达能力和热情。