ウナギの絶滅危機にあるのは「乱獲」が原因か…「ウナギの乱獲」を止められないヤバすぎる「日本の法律」

「过度捕捞」是导致了鳗鱼濒临灭绝原因吗…日本的法律却无法阻止「鳗鱼乱捕」


日本人に愛される「ウナギ」だが、実は絶滅危惧種として深刻な問題となっている。実際に約80%減少しており、これからも私たちはウナギを食べることができるのだろうか…。
前編記事『「丑の日」にウナギが食べられなくなる…?「絶滅する」と言われているヤバすぎる「ウナギの減少数と2つの問題」』に引き続き、なぜここまでウナギが減少してしまったのか、その原因を探っていく。

鳗鱼深受日本人的喜爱,但实际上作为濒临灭绝的物种已经成为了一个严重的问题。鳗鱼的数量实际上已经减少了约80%,那么,我们今后还能吃到鳗鱼吗......?
续前篇文章《在“丑之日”却无法食用鳗鱼了…?关于被称为“濒临灭绝”的鳗鱼数量的减少和两个严重问题》,我们继续探讨为什么鳗鱼的数量会减少到这种程度。

護岸工事などによる環境変化
ウナギ減少の背景について、ここでは専門家から指摘されている要因のうち、代表的な2つの問題を取り上げてみたい。

海堤建设造成的环境变化等。
关于鳗鱼减少的背景,在此我们将重点讨论专家指出的因素中最常见的两个问题。

1つ目の要因は、海や川などのウナギが暮らす環境の変化だ。
ウナギは一生をかけて、各地の海や川を移動する。ニホンウナギの場合、南太平洋に産卵場があり、そこで孵化した初期の稚魚は海流にのって、東アジア方面へと移動する。その後は中国、台湾、韓国、日本など、各地の川に住み着き、ここで成長期を過ごす。そして、十分に成長したウナギは産卵のために再び南太平洋へ向かい、一生を終える。

第一个因素是海洋和河流中鳗鱼生活环境的变化。
鳗鱼在一生中会在不同的海洋和河流之间迁徙。对于日本鳗鱼而言,它们在南太平洋有产卵的地方,初生的幼鱼会随着海流向东亚移动。随后它们会在中国、台湾、韩国、日本等地的河流中定居,度过成长阶段。然后,成熟的鳗鱼为了繁殖就会再次回到南太平洋,完成它们的一生。

そのため、海や川の環境の変化は、ウナギの活動に大きな影響を与える。近畿大学の渡邊俊准教授らの研究によると、東太平洋の海面水温が上昇するエルニーニョ現象が起きると、ニホンウナギの産卵場は南下し、北方に位置する日本へやってくるウナギの数も減少するという。
また、川の岸辺をコンクリートで固める護岸工事が進むと、川に生息するウナギが減ることも分かっている。東京大学の板倉光助教の研究では、利根川水系の護岸箇所とそうではない箇所で比較すると、後者におけるウナギの個体密度の方が有意に高いことが分かっている。

因此,海洋和河流环境的变化会对鳗鱼的活动产生重大影响。根据近畿大学的渡边俊教授及其团队的研究,当发生厄尔尼诺现象时,东太平洋海域的水温上升,日本鳗鱼的产卵地会向南迁移,而前往北方的日本的鳗鱼数量也会减少。
此外,护岸工程将河岸固定为混凝土后,生活在河中的鳗鱼数量也会减少。根据东京大学的板仓光助教的研究表明,当对比利根川水系中固定护岸工程地点和未进行护岸工程地点时,后者中的鳗鱼个体密度明显更高。

乱獲によるウナギの減少
たしかに環境変化がウナギに与える影響は大きい。だが、海や川の環境変化だけにウナギ減少の責任を押し付けるのは、いささか早合点だ。
たとえば、先にニホンウナギの産卵場が南に移動すると日本へやってくるウナギが減ると説明した。だが、近年のなかでは比較的、産卵場が北に位置していた2012年も、日本ではシラスウナギの歴史的な不漁に見舞われた。
つまり、より大きな問題は、ウナギの数そのものが減っていることなのだ。そして、その大きな要因とされるのがウナギの乱獲、すなわち“獲りすぎ”である。

过度捕捞导致鳗鱼数量减少
的确,环境变化对鳗鱼有重大影响。但是,仅将鳗鱼数量減少的责任归咎于海洋和河流的环境变化还为时过早。
例如,之前提到了日本鳗鱼的产卵地向南迁移会导致前往日本的鳗鱼数量减少。然而,就在近年中,即使在产卵地相对偏北的2012年,日本玻璃鳗鱼的捕获量也创下了历史新低。
换句话说,更大的问题在于鳗鱼数量本身就在减少。而且,导致这个重要问题的主要原因被认为是滥捕,也就是“过度捕捞”。

なぜ乱獲は止められないのか
ウナギをはじめ、我々が食べる魚の多くは天然資源だ。そのため、自然界の都合を考えずに人間が獲り過ぎれば、その数は急速に減り、場合によっては絶滅してしまう。特に、ウナギは養殖であっても、自然からの恵みに依存している部分が大きい。これは前編でも説明した点だ。

为什么无法阻止过度捕捞?
包括鳗鱼在内,我们食用的许多鱼类都是天然资源。因此,如果人类在不考虑自然界的情况下过度捕捞,它们的数量将迅速减少,甚至在某些情况下有可能会灭绝。特别是对于鳗鱼来说,即使是养殖方式,也在很大程度上依赖自然的恩赐,这一点在前篇文章中已经解释过了。

そのため、水産政策を司る行政もウナギの乱獲が進まないように、様々な対策を施している。各都府県では禁漁期などが設定されており、日本有数のウナギ産地である鹿児島県でも、10月から翌年2月までの5ヶ月間は禁漁期となっている。
だが、こうした規制にもかかわらず、ウナギの乱獲には歯止めがかかっていない。原因の1つが、密漁の横行だ。

因此,负责渔业政策的行政机构也采取了各种措施,以防止过度捕捞鳗鱼。每个都道府县都规定了鳗鱼捕捞的休渔期,即使是日本著名的鳗鱼产地鹿儿岛县,也在10月至次年2月的5个月内设有禁捕期。
然而,尽管有这些限制,过度捕捞鳗鱼的现象仍未停止。其中还有一个原因是非法捕捞的泛滥。

そのウナギ、密漁ウナギかも?
密漁の「横行」と書いたが、水産庁が公表しているシラスウナギ採捕の統計をみると、その規模がよく分かる。
ウナギの養殖業者は、法律にもとづいて養殖池に入れたシラスウナギの量を水産庁に報告しなくてはならない。そこで、水産庁公表の2022年度池入れ報告数量をみると、全国の合計で16.2トンとなっている。もちろん、この16.2トンは、合法的に国内で採捕されたか、輸入されたシラスウナギの“はず”だ。

这些鳗鱼会不会是非法捕捞的鳗鱼?
之前提到了非法捕捞的“泛滥”,从水产厅公布的鳗鱼捕捞统计数据中,可以了解到其规模。
法律规定,鳗鱼养殖企业必须向水产厅报告放入养殖池中的鳗鱼数量。因此,根据水产厅公布的2022年度报告数据,全国合计为16.2吨。当然,这16.2吨“应该”是合法捕捞或进口的玻璃鳗鱼。

しかし、実態は異なる。2022年度に国内で採捕が報告されたシラスウナギと輸入数量は、合計しても11.3トンしかない。
つまり、池入れ報告数量と4.9トンもの差があり、これこそが法の網をかいくぐった“出所不明”のウナギに他ならない。
この4.9トンという数字は、全国の養殖池に入れられたウナギの30%に相当する。出所不明のウナギが全体の3割もあること自体が重大な問題だが、たとえ密漁ウナギであっても、見た目は他のウナギと同じだ。

然而,实际情况并非如此。根据2022年度国内报告的鳗鱼捕捞量和进口数量的总和,仅为11.3吨。
换句话说,报告的池塘养殖鳗鱼数量与实际差了4.9吨,而这正是逃避法律监管的“来源不明”的鳗鱼。这4.9吨的数字相当于全国養殖池投放的鳗鱼数量的30%。存在30%的来源不明鳗鱼本身就是一个严重的问题,即使是非法捕捞的鳗鱼,外表也与其他鳗鱼相同。

そのため、他のウナギと混じってしまえば、ウナギを養殖する養鰻場もそれが違法かどうかを判別することはできない。その結果、養殖池で成長した密漁ウナギは、他のウナギと共に出荷され、我々の口に入る。
実は、我々も日々、出所不明の密漁ウナギを食べているかもしれないのだ。
あまりに軽い密漁罰則
では、なぜウナギの密漁はここまで深刻になっているのか。

因此,如果与其他鳗鱼混在一起,养殖场也无法判断是否为非法捕捞的鳗鱼。结果是,养殖池中成长的非法捕捞鳗鱼与其他鳗鱼一起被出售,并进入我们的口中。
实际上,我们每天也许正在食用着来源不明的非法捕捞鳗鱼。
而且,非法捕捞的惩罚也过于轻微。那么,为什么非法捕捞鳗鱼的问题会变得如此严重呢?
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背景の1つとされるのが、密漁に対する罰則の軽さだ。従来の漁業法では、ウナギ密漁に対する罰則は最大で罰金10万円もしくは6ヶ月の懲役とされていた。
だが、シラスウナギの平均取引価格(2022年度)は1キロ220万円にも達する。つまり、密漁から得られる利益に対して、罰則があまりにも軽いのだ。

导致这个问题的一个背景因素是,对于非法捕捞的处罚轻微。根据传统的渔业法规,对于非法捕捞鳗鱼的罚款最高可达10万日元,或者最多6个月的监禁。
然而,玻璃鳗鱼的平均交易价格(2022年度)可达每公斤220万日元。换句话说,与从非法捕捞的利润相比,处罚实在太轻了。

密漁の罰金は300倍に!
こうした状況のなか、政府は漁業法を改正し、密漁罰則の大幅引き上げに踏み切った。シラスウナギ、アワビ、ナマコの3種を「特定水産動植物」に指定し、これらを違法に採捕した場合は最大で3,000万円の罰金が科されることになった。3,000万円という金額は、日本の法律で定められている個人に対する罰金の最高額だ。

非法捕捞的罚款提高了300倍!
在这种情况下,政府修改了渔业法,并大幅提高了非法捕捞的罚款。将玻璃鳗鱼、鲍鱼和海参这三种物种指定为“特定水产动植物”,如果非法捕捞这些物种,最高可处以3000万日元的罚款。这个3000万日元的金额是日本法律规定的对个人的罚款的最高限额。
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さらに、改正漁業法では、これまで罪に問われなかった密漁品の流通者に対しても、密漁品と知っていた場合には密漁者と同じ罰則、つまり最大3,000万円の罰金が科される。
こうした、シラスウナギの密漁に対する新しい罰則規定は、今年12月から適用される。罰金額を300倍に引き上げるという思い切った対応がどこまで成果を挙げるのか、その行く末が注目される。

此外,在修订后的《渔业法》中,对于过去未被追究罪责的非法捕捞产品的流通者,如果其知晓该产品是非法捕捞的,将面临与非法捕捞者相同的罚则,即最高可处以3,000万日元的罚款。
这些针对玻璃鳗鱼的非法捕捞的新罚则规定将于今年12月开始实施。将罚款金额提高300倍的大胆举措将产生何种效果,其结果备受关注。

完全養殖はできるのか
政府が密漁の取り締まりを強化する一方、ウナギ好きの日本人として期待したいのが「ウナギの完全養殖」の実現だ。
現在、ウナギの養殖は天然のシラスウナギの採捕を前提としているが、養殖したウナギから卵をとり、それを孵化させて育てることができれば、現在のように自然界のウナギに頼る必要もなくなる。

是否能实现全面水产养殖吗?
政府在加强打击非法捕捞的同时,作为喜爱鳗鱼的日本人,我们对实现完全养殖鳗鱼寄予厚望。
目前,鳗鱼的养殖仍以采捕天然玻璃鳗鱼为前提,但如果能够从养殖的鳗鱼中取得卵并孵化出幼鱼,进行养殖,就不必像现在这样依赖野生鳗鱼了。

ウナギの完全養殖は、長年にわたり研究が進められ、実験レベルでは2010年に完全養殖が達成されている。だが、飼育環境でのウナギ稚魚の生残率は非常に低く、商用化のためには生残率の向上や、莫大な数の稚魚を飼育できるだけの設備の確保など、解決すべき課題が多い。

对鳗鱼完全养殖的研究已有多年,2010 年在实验层面实现了完全养殖。但是,养殖环境中鳗鱼幼鱼的存活率非常低,要实现商业化还有许多问题需要解决,例如提高存活率、确保足够的设施来养殖大量的幼鱼等。

ウナギをどう食べるべきか
乱獲などによって大きく減少しているウナギだが、我々は一体どう向き合うべきなのだろうか。
もちろん、ウナギを食べること自体をやめる必要はない。だが、当然ながら「食べ方」に気をつける必要はあるだろう。
まずは消費量の問題だ。ウナギの繁殖スピード(生物的な再生産速度)を超えるようなペースで食べ続ければ、ウナギの数は減少の一途をたどってしまう。天然資源である以上、ウナギの消費には適切な「上限値」があるはずだ。

我们应该如何食用鳗鱼
由于过度捕捞等原因,鳗鱼的数量大幅减少,但我们应该如何应对这个问题呢?
当然,并不需要完全停止食用鳗鱼。然而,显然我们需要注意食用的方法。
首先是消费量的问题。如果我们以超过鳗鱼的繁殖速度(生物再生产速度)的速度持续食用,鳗鱼的数量将会继续减少。作为天然资源,食用鳗鱼应该有适当的“上限”

消費量に加えて、「特に食べてはいけないウナギ」の存在も重要だ。ウナギ研究の第一人者である東京大学の塚本勝巳名誉教授は「天然ウナギは獲らない、売らない、食べない」ことを提案している。成魚の天然ウナギのなかには、産卵場に向かうウナギがいる。そのため、これを採捕してしまうと卵の数が一気に減り、ウナギの減少に拍車がかかってしまうのだ。

除了食用量外,还有“绝对不能食用的鳗鱼”也非常重要。东京大学名誉教授塚本胜是一位著名的鳗鱼研究专家,他建议“不捕捞、不贩卖、不食用野生鳗鱼”。成鱼中有一部分鳗鱼正前往产卵场。如果捕捞这些鳗鱼,它们的产卵数量将急剧减少,进一步加速鳗鱼数量的减少。

また、「密漁ウナギの排除」を掲げるスーパーの動きなどにも注目したい。たとえば、大手小売のイオンは、今年までに取り扱うウナギを100%流通経路が追跡可能なものに切り替えることを宣言している。
このように、ウナギ減少の問題について、我々消費者が取り組めることはたくさんある。土用の丑の日、美味しい鰻を味わいつつ、ぜひウナギの未来に思いを馳せてみて欲しい。

此外,我们也应该关注超市等零售商的举措,以“杜绝非法捕捞的鳗鱼”。例如,大型零售商永旺已经宣布,到今年,它所经营销售的的鳗鱼将100%转为流通路径可追溯的鳗鱼。
正因如此,作为消费者,我们可以做很多事情来解决鳗鱼减少的问题。在土用的丑之日享受美味的鳗鱼的同时,也请关注鳗鱼的未来。