Androidスマートフォンの“寿命”がiPhoneよりも短い理由

Android智能手机的“寿命”比iPhone短的理由


近年、スマートフォンのアップデート期間の長さが注目されている。その中でも気になるのが、機種によってアップデート可能な回数や期間に差があることだ。特に、AndroidスマートフォンはiPhoneに比べて、アップデート期間が短い傾向にある。今回はスマートフォンをとりまくOSアップデートの実情、新たな取り組みについて考察する。

近年来,智能手机的更新期间的长度受到关注。其中最令人在意的是,根据机种的不同,更新的次数和时间也有差异。特别是Android智能手机与iPhone相比,更新时间有缩短的倾向。此次考察围绕智能手机的OS更新的实际情况。

検証コストやプロセッサのサポート期間が短命の一因に
一般的なAndroidスマートフォンのOSアップデートの流れとして、チップセットメーカーからそれぞれのプロセッサに最適化された、BSP(Board Support Package)が端末メーカーに配布されるところから始まる。
これをもとに端末メーカーは自社端末に採用しているタッチパネル、通信モジュール、各種センサーをはじめとした構成機器のドライバー更新を行っていた。ここに通信キャリアの声も取り入れながら、OSのアップデートを行っていた。
このような手順は複数の工程になる関係もあり、並行作業も難しいため、AndroidスマートフォンのOSアップデートが遅くなる一因にもなった。
加えてプロセッサにもサポート期間が存在する。2年間はQualcommをはじめとしたチップセットベンダー側でも、最新のAndroidバージョンに対して検証などを行うものになる。ただ、サポート期間終了後はメーカーが独自に検証を行う必要がある。この部分のコストが大きいため、Pixelを除くと、3年以上のアップデートを行うスマホは少数になっていた。

验证成本和处理器短命的原因之一
作为一般的Android智能手机的OS更新的流程,芯片组制造厂会向终端制造厂分配各自处理器的最优化支援服务BSP(Board Support Package)。
以此为基础,终端制造商对本公司终端采用的触摸屏、通信模块、各种传感器等构成机器进行了驱动更新。同时也加入了通信运营商,进行OS的更新。
这样的程序有多个工序的关系,想要同时进行是很难的,所以这也是Android智能手机的OS更新慢的一个原因。
另外,处理器也存在支持期限。2年时间,以高通为首的芯片组供应商会对最新的Android版本进行验证等。但是,在支持期间结束后,需要制造商独自进行验证。因为这部分的成本很大,所以除了Pixel以外,进行3年以上更新的智能手机已经很少了。

AndroidスマホのアップデートはGoogleだけでは決められない
Androidスマートフォンで3年以上の長期アップデートを実施した機種は少ない。過去の例を見ると、2013年発売のソニー Xperia Z1ではAndroid 4.2を搭載して販売されたが、2015年初頭に公開されたAndroid 5.1.1をもってアップデートは終了している。Androidスマホはおおむね2年間のサポートにとどまっている。
AndroidスマートフォンのOSアップデート可否については、メーカーもしくは通信キャリアが最終決定権を持つ。通信キャリアの独自機能やアプリケーションの兼ね合い、新機種の登場タイミングや売れ行きが悪いといった要因で、キャリア側がアップデートしない決断を下した機種も多かった。そのため、端末のスペック不足といった理由でアップデートされなかった機種は少ない。
かつてはOSアップデートされなかったAndroidスマートフォンも多かったことから、キャリアで販売される機種のアップデート体制に不満を覚えたユーザーも多かった。
一方でiPhoneのように、ハードウェアとソフトウェアの双方をメーカーが独自に管理できるものに関しては、比較的アップデートが長期に渡って行われる。
過去の例を見てみると、Xperia Z1と同じく2013年発売のiPhone 5sでは、2018年に公開のiOS 12までアップデートされており、iOS 13が発表されるまでの6年間に渡ってサポートされた。同時期発売のAndroidスマートフォンに比べるとかなり長期のサポートとなった。

Android智能手机的更新不能只由谷歌决定
在Android智能手机上实施3年以上长期更新的机型很少。从过去的例子来看,2013年发售的索尼Xperia Z1搭载了Android4.2进行销售,但以2015年初公开的Android5.1.1结束了更新。Android智能手机大概只支持了两年。
关于Android智能手机的OS更新可否,制造商或通信运营商拥有最终决定权。由于通信运营商的独自功能和应用的兼顾,新机种的登场时机和销路不好等原因,运营商方面做出了不更新的决断的机种也很多。因此,由于终端规格不足而没有更新的机型很少。
因为以前有很多Android智能手机后来就不更新系统了,所以对在销售的机种的更新体制感到不满的用户也很多。
另一方面,像iPhone那样,对于硬件和软件双方都可以由制造商独自管理的东西,会进行比较长的更新。
从过去的例子来看,与Xperia Z1一样,2013年发售的iPhone5s,在2018年更新到公开的iOS12,在iOS13发表之前的6年间得到了支持。与同期发售的Android智能手机相比,这是相当长期的支持时间。
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特にAppleの場合は、発売から時間の経過した旧機種を廉価モデルとして販売するビジネスモデルを展開していることもあり、長期のOSアップデートは理にかなっている。
もちろん、Androidスマートフォンもアップデートの促進に力を入れている。Googleではチップセットベンダーと手を組み「Project Treble」というアップデートを容易に行う仕組みを2017年に発表している。
これはAndroid OSの基幹部といわれる部分と、メーカーやキャリア側で実装する部分を分けてリリースすることで、容易にかつ効率よくアップデートを進められるものだ。具体的にはGoogleとQualcomm、MediaTek、Samsungといったベンダーが手を組み、Androidの新バージョンに対して効率よくアップデートできるように対応している。
端末メーカー側は従来よりも余計な手間がない分、自社のハードウェアやカスタムUIの最適化に注力できる。結果として、OSアップデートのタイムラグを少なくし、アップデート手順を簡略化しようという試みだ。

特别是苹果的情况下,也有将从发售了很久的旧机种重新作为廉价机型销售的商业模式,长期的OS更新是合理的。
当然,Android智能手机也致力于促进更新。谷歌在2017年发表了与芯片组供应商合作,设计了容易进行更新的“Project Treble”结构。
通过将安卓的基础部分和给制造商的部分进行分开发布,从而可以容易且有效地进行更新。具体来说就是谷歌和高通、联发科、Samsung等供应商联手,对Android的新版本进行了有效的更新。
终端制造商方面比以往可以省去不少工夫,所以可以致力于本公司的硬件和自定义UI的优化。结果就是减少了OS更新的时间延迟,简化更新过程。

これらの仕組みの普及もあって、近年のスマートフォンでは2年間のサポートを明言するものが増えてきている。かつてのように最新バージョンが発表されてから、1年遅れてアップデートされるといったことも少なくなっている。
近年ではProject Trebleを拡張する形で、QualcommはSnapdragon 888以降のプラットフォームにおいて「4つのOSバージョン対応、4年間のセキュリティパッチの配布」を打ち出している。MediaTekやSamsungからの公式発表はないが、この流れに続く形になると思われる。
Google Pixelも最新のPixel 7にて5年間のセキュリティパッチの提供を予定するなど

随着这些机制的普及,近年来智能手机明确表示可以支持2年更新的机型越来越多。像以前那样发表最新版本之后,晚一年更新的情况也变少了。
近年来,以扩展Project Treble的形式,高通在骁龙888以后的平台上推出了“支持4个OS版本,发布4年的安全补丁”。虽然没有来自联发科和Samsung的正式发表,但可以认为这个形式会是之后的潮流。
谷歌Pixel也计划在最新的Pixel7上提供5年的安全补丁等

アップデート長期化の背景は端末の高騰、周囲の環境変化
端末のアップデートの長期化の背景の1つに、スマートフォンの価格が高騰していることが挙げられる。iPhoneをはじめ、今ではハイエンド機種と呼ばれるものは10万円を超えるものが大半を占め、折りたたみ端末のように20万円を超えるものも現れている。並のノートPCや各種白物家電よりも高額な商品になりつつあるのだ。
初代Galaxy Foldは発売時で1999米ドル、日本でもauより24万円(税込み)で発売された。高額な商品となるため、従来のような2年のサポート期間では納得のいかないユーザーも多いはずだ。
日本でもアップデートの関心度は高い。言い換えれば、長期にわたってスマートフォンを利用するニーズが多くあるのだ。MMD研究所が2022年9月に実施した調査によると、スマートフォンの買い替え頻度は、iPhoneとAndroidともに3年に1回が最多という結果も出ている。
背景には、前述した価格の高騰に加えて、以前に比べてスマートフォンそのものが数年で極度に陳腐化しなくなったことが挙げられる。そのような状況下では、一般に5年近く利用するスマートフォンにおいて、2年間しかアップデートされない、されるかも分からない機種には不安を覚えるものだ。

更新长期化的背景是手机终端价格的高涨,周围的环境变化
终端更新长期化的背景之一是智能手机价格飙升。以iPhone为首,现在被称为高端机型的超过10万日元的占大半,像折叠终端一样超过20万日元的也出现了。比起普通的笔记本电脑和各种白色家电,商品越来越贵。
第一代Galaxy Fold在发售时售价为1999美元,在日本也以24万日元(含税)的价格发售。因为是高价商品,所以像以前那样不能接受2年的支持时间的用户应该也很多。
在日本更新的关心度也高。换句话说,长期使用智能手机的需求很多。根据MMD研究所于2022年9月实施的调查显示,iPhone和Android加起来每3年更换智能手机的频率是最多的。
其背景是,除了上述价格高涨之外,与以前相比,现在的智能手机本身也不会出现过了几年就感觉是老古董的款式了。在这种情况下,一般使用近5年的智能手机,如果很可能只更新2年,会让人感到很不安。

加えて、世界的な環境負荷対策への関心の高さも大きい。近年は製品パッケージを薄くしたり、材質をプラスチックから紙に変更して、製造時や輸送時のCO2削減を図ったりする製品が増えている。
スマートフォンとしては製品寿命を長くすることで、余計な廃棄物を減らす「サーキュラーエコノミー」という考え方が近年注目されている。端末を長期にわたって利用できるようにすることが、環境への配慮にもつながるという考え方が広まってきている。

此外,对全球环境负荷对策的高度关注也很大。近年来,越来越多的产品将产品包装变薄,或将材质从塑料改为纸,以减少制造和运输时的CO2。
作为智能手机,通过延长产品寿命,减少多余的废弃物的“循环经济”的想法近年来受到关注。使终端能够长期使用,也会是对环境的一种照顾。

継続的なソフトウェアアップデートと修理対応が今後のトレンドか
iPhoneに限らず、AndroidスマートフォンでもOSのアップデート長期化の流れも見え始め、今後はハイエンド端末を中心に4年間のサポートが行われる流れになるはずだ。そのようになると回避できなくなる問題が、スマートフォンのハードウェア的な劣化だ。
最も身近なものとしてバッテリーの劣化がある。3年もスマートフォンを利用すればバッテリーの寿命も迎えており、多くの場合は交換を考える時期に入る。ソフトウェアのアップデート保証期間だけでなく、本体の保証期間も考える必要が出てくるのだ。
iPhoneではメーカー修理も充実している。今なお2014年発売のiPhone 6の修理まで対応するなど、長期間の手厚いサポートが魅力だ。Androidスマートフォンにおいても、キャリアで販売されたモデルは比較的長期に渡って修理対応が行われるものも多い。その一方、端末の提供時期の短さなどから比較的短期間で対応が終了している機種もあり、保証期間は一律ではない。

持续的软件更新和修理对应是今后的趋势吗
不仅是iPhone,Android智能手机也开始看到OS更新长期化的潮流,今后应该会以高端终端为中心进行4年的支持。这样一来就无法回避的问题是智能手机的硬件劣化。
最重要的东西是电池的劣化。如果使用智能手机3年的话,电池的寿命也会到来,很多情况下都进入了考虑更换的时期。不仅仅是软件的更新保证时长,硬件的保证时长也需要考虑。
iPhone的制造商修理的支持很长时间。至今仍支持2014年发售的iPhone6的修理等,长期的热情支持是其魅力所在。在Android智能手机中,运营商销售的机型也有很多在比较长的时间内进行修理支持。另一方面,由于终端的提供时间短等,也有在比较短的期间内结束支持的机种,保证期间不统一。

機種としてはおおむね5年に満たない程度のサポート期間となっており、それ以降は同等クラスの製品への交換対応となる。
日本では大手キャリアの手厚いサポートなどもあり、ハードウェアの故障修理に対してはショップをはじめ、代替機を含めて対応してくれることが多い。一方、オープンマーケットで販売される端末に関しては、キャリアに比べて不十分な対応となるメーカーも多い。今後、オープンマーケットのスマートフォンは、端末本体の修理体制もしっかり吟味して選ぶ必要がある。
中国メーカーはOSバージョンアップに加え、各社の独自UIを長期に渡ってアップデートを提供する考えを示している。独自UIのアップデートはOSバージョンアップとは異なる形だが、ユーザー体験を向上させる点で目指している方向は同じだ。
変わり種としては、Huaweiのように古い機種のストレージ容量をアップグレードするサービスを展開するメーカーもある。

机型的支持时间大约不到5年,之后将更换为同等级别的产品。
在日本也有大型运营商的热情支持等,对于硬件的故障修理,以商店为首,包括备用机在内的方案很多。另一方面,关于在开放市场销售的终端,与运营商相比,也有很多制造商的应对不充分。今后,开放市场的智能手机,终端实体的修理体制也需要好好斟酌选择。
中国厂商表示除了OS版本升级之外,还将长期提供各公司的独自UI更新。独自UI的更新是与OS版本升级不同的形式,但是也同样是提高用户体验的方向。
作为变种,也有像Huawei这样开展升级旧机型存储容量服务的制造商。

欧米や欧州では「修理する権利」という考え方が注目されている。スマートフォンを個人で持続的にメンテナンスを可能にする点が、新たな商品への付加価値となっている。AppleやGoogleでは一部地域向けに、製品のパーツ販売や修理マニュアルを公開するなど、新しい動きも見えつつある。
近年は新たな指標として「修理可能性指数」が注目されている。これはフランス政府が導入しているもので、サーキュラーエコノミーの考え方に沿って商品に点数として明示されている。スマートフォンの修理しやすさ、スペアパーツの入手価格、入手可能な時期などを10点満点の評価で数値化している。フランスでは2022年時点で、販売されている90%近いスマートフォンに数値が明示されており、消費者が修理のしやすさで端末を選べる。
日本で「個人が修理する権利」を公に行使することは難しい。技適マークのある携帯電話の分解、修理をメーカー以外が行うと、現行電波法上では「無線機の違法改造」に触れることになる。
スマートフォンを数年間、持続的に使っていけるようにすることが今後のトレンドになるだろう。全くアップデートされなかったスマートフォン――そういう時代はもう終わりつつあるのかもしれない。

在欧美和欧洲,“修理权利”的想法受到关注。智能手机能够由个人持续维护,这一点成为了新商品的附加价值。苹果和Google面向一部分地区,公开产品的零件销售和修理手册等,这样是一种新的趋势。
近年来,作为新的指标,“修理可能性指数”备受关注。这是法国政府引进的,按照循环经济的想法,在商品上标明了分数。智能手机的修理容易度,配件的到手价格等以10分满分的评价数值化。在法国,到2022年,销售的近90%的智能手机上标明了数值,消费者可以根据修理的容易程度选择终端。
在日本很难公开行使“个人修理的权利”。如果制造商以外的人进行有技术合格标记的手机的分解、修理,在现行电波法上就会触碰到“无线设备的违法改造”这一条例。
让智能手机持续使用几年将成为今后的趋势。完全没有被更新的智能手机——这样的时代也许已经结束了。