なぜ、スマートシティのマネタイズは難しいのか? ビル・ゲイツの砂漠購入が賢いワケ

为什么智能城市的商业化很难呢?比尔盖茨购买沙漠是明智的?

世界各地で開発が進むスマートシティには、多くの課題があります。その1つが「マネタイズ」です。スマートシティを作るには巨額な費用が必要となる一方で、それをどう回収し、その後もビジネスとしてどう成立させるかは、スマートシティ事業に取り組む企業にとって大きな課題です。今回は、スマートシティにおけるマネタイズについて、「IoT機器メーカー」「不動産」「価値教育」「顧客心理」「期間」の5つの視点から考えます。

在世界各地进行开发的智能城市有很多问题。其中之一就是“盈利”。要建立智能城市,一方面需要巨额费用,另一方面如何回收,之后如何作为业务成立,对于致力于智能城市事业的企业来说是一个很大的课题。这次,我们从“IoT机器制造商”、“不动产”、“价值教育”、“顾客心理”、“时间长度”5个角度来考虑智能城市的盈利问题。

●センサー、IoT機器メーカーは儲かっているのか?

●传感器、IoT机器制造商赚钱了吗?

未来の都市、スマートシティ。最先端テクノロジーが利用され、ビックデータが生み出され、ITベンダーがこぞって参入し始めています。しかしながら、ビジネスとして成り立っているのか、つまり儲かっているのかというと、そうでもないことが見えてきます。
スマートシティの土台となっているテクノロジーは、センサーやネットワーク通信です。センサーの種類は非常に多く、GPS、加速度、ジャイロ、画像、温度、湿度、距離、超音波などがあります。それらをネットワークにつなげることでIoTができあがります。そして、それらのデータをクラウドで一元管理、データ連携を行い、新しい価値を提供します。

未来的城市,智能城市。利用最先进的技术,产生了巨无霸数据,IT供应商都开始参与其中。但是,要说是作为商务成立,也就是说赚钱的话,看起来不是这样的。
作为智能城市基础的技术是传感器和网络通信。传感器的种类非常多,有GPS、加速度测试仪、陀螺仪、图像、温度、湿度、距离、超声波等。通过将这些连接到网络上,IoT就完成了。然后,通过云管理这些数据,进行数据协作,提供新的价值。

都市によっては、課題は特にない、現状で満足だという意見があります。ただ、そこにデータという形ですべての人やモノの動きを可視化すると、見えなかったものが見えるようになり、さまざまな課題が顕在化してきます。それは今まで気づかなかった課題です。それに対応していくと、今まで提供できていなかった視点の価値を提供することにつなげることができます。
では、それを実行しようと考えると、たくさんのセンサーが必要になります。スマートシティが現在の各都市に導入されるようになれば、その数の分だけセンサーとシステムは必要になってきます。ただ、まだ現状はその数が非常に少ないのが現実です。しかも、日本はスマートシティといっても、あるいくつかのカテゴリのみであり、欧米や中国と比較すると規模が小さいです。

有很多城市的人会觉得什么特别的问题,对于现状很满足。但是,如果以数据的形式将所有的人和物的动作可视化的话,就可以看到看不见的东西,各种各样的问题就会显现出来。那是至今为止都没有人注意到的问题。与之相对应的话,就是说没人人能提供有价值的观点。
那么,如果想实行那个的话,需要很多传感器。如果智能城市导入到现在的各个城市,那么传感器和系统就需要相应的数量。只是,现在现状是那些传感器数量非常少。而且,日本虽说是智能城市,但也只是几个类别,和欧美和中国相比规模小。

たとえば「1万個のセンサーを設置します」といった場合、かなり大きなインパクトがあるように感じますが、センサーメーカーの視点からすると、1つ100円のセンサーだと100万円にしかなりません。1000万個、1億個などまで広がれば大きなビジネスになってきますが、1万個程度では少ないのです。
IoT機器メーカーも同様に、100個や1000個程度では機器よりも、構築に関わる人件費で収益を上げるという形になってしまいます。つまり、センサーやIoT機器側からすると規模の経済で、大規模でないと“うまみ”がほとんどないことになります。
今後、スマートシティ化する都市が増えていくことが望まれますが、問題はセンサーやIoT機器の単価も毎年値下げされるということも課題となってきます。

比如说“设置1万个传感器”的话,会给人一种相当大的冲击感,但是从传感器制造商的角度来看,一个100日元的传感器只有100万日元。如果能扩展到1000万个、1亿个的话,生意会变大,但1万个左右的话就非常少了。
IoT机器制造商也一样,100个或1000个左右的话,比起机器的利益,相关的人事费还更贵一点。也就是说,从传感器和IoT机器方面来看,是规模经济,如果不是大规模的话,几乎没有什么利益。
今后,希望智能城市化的城市增加,但是问题是传感器和IoT机器的单价每年都会下调,这也是一个问题。

●既存の都市をスマート化する難しさ

●将现有城市智能化的难度

続いて、不動産の視点からスマートシティのマネタイズを考えてみます。ここでのキーマンはビル・ゲイツ氏です。
2017年に同氏は、アリゾナ州バックアイの郊外にある土地2万4800エーカー(約1万ヘクタール)を8,000万ドルで購入しました。目的はスマートシティ・ベルモントを作るためです。8万戸の住居、20万人の人口を受け入れることが想定されています。
この土地は本当に何にもない場所です。つまり、当然ですが電気もガスも水道もありません。「なんでそんな所に?」と思うかもしれません。ただ、考え方を変えると、そもそも米国大陸自体がそのような土地であるため、インフラは新しく作れば良いのです。

接下来,从不动产的角度来考虑智能城市的管理。这里的关键人物是比尔·盖茨。
2017年,他以8000万美元的价格购买了位于亚利桑那州郊外的2万4800英亩(约1万公顷)地。目的是为了制作智能城市贝尔蒙。预计将容纳8万户住房和20万人口。
这片土地真的是什么都没有的地方。也就是说,电、煤气和自来水也没有,“为什么选在那种地方?”也许你会这么想。不过你换个角度想,原本美国大陆就是那种地方,基础设施只要重新建设就可以了。

既存の都市をスマート化しようとすると、実は大きな問題があります。既存のインフラがあるため開発が容易ではないのです。また、そこにはすでにその土地を所有している所有者がいます。その方が反対するとその場所には手がつけられません。一方、何もない場所であれば、よりスピード感をもって開発していくことが可能になります。
一からの街づくりになるにせよ、8万戸の家の建設費、20万人が住んだ時の地価や経済効果を考えるととんでもない金額を生み出すことになります。

如果想使既存的城市智能化的话,实际上会有很大的问题。因为有现有的基础设施,所以开发起来并不容易。而且,那里已经有拥有土地的所有者。如果那个人反对的话,那个地方就无从下手。另一方面,如果是什么都没有的地方,就可以更有速度感地开发。
不管是从零开始的城市建设,还是从8万户住宅的建设费、20万人居住时的地价和经济效果来考虑的话,都会产生意想不到的金额。

●価値を判断するのは誰か?

●判断价值的是谁?
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スマートシティでマネタイズができない理由は、持続的にお金が入ってくる仕組み、つまり「事業モデル」が構築されなかったことが大きいです。
ここで少し、アート業界の話をします。世界的なアート作品の価格を決めているのは誰か知っていますか? 価格を決定しているのは、サザビーズやクリスティーズといった欧米のオークション会社です。日本にもオークション会社はありますが、そこでは、すでにできあがった価格を扱っているにすぎないのです。
なぜ、価格を決定する人はそれができるのでしょうか? 答えは、知識があるからです。知識があるから「これはすごいことだ」という価値判断ができる。知識がないと「それにどんな意味があるの?」で終わってしまいます。つまり、知っているか知らないかの差なのです。

在智能城市里无法赚钱的理由,很大程度上是无法构筑持续赚钱的机制,也就是“商业模式”。
我在这里说一下艺术界的事情。你知道决定世界性艺术作品价格的是谁吗?决定价格的是像莎士比亚和克里斯蒂这样的欧美拍卖公司。日本也有拍卖公司,但是在那里,只不过是处理已经定好了的价格而已。
为什么决定价格的人可以做那个呢?答案是因为有知识。因为有知识,所以可以判断“这是很了不起的事情”的价值。没有知识就会问“那有什么意义?”。也就是说,这是知道与不知道之间的差距。

スマートシティに置き換えると、その差は「未来を描けるかどうか」です。未来が見えるから買う。それを買った時に自分はどうなるのかが理解できるから顧客は買うのです。となると、顧客にも知識を学んでもらう必要がありそうです。たとえば、大学でスマートシティに関する知識を広めることなどができそうです。
マネタイズの仕組みを作ろうとするのではなく、勝手にマネタイズができる環境が整っている形にすること。マネタイズに悩み、見つけ出せないまま10年たつのか、10年後に向けて教育をしていくのか──これからがポイントです。

换成智能城市的话,差距就是“是否能代表未来”。因为能看到未来所以买。买那个的时候顾客会理解自己会变成什么样。这样的话,顾客也需要学习知识。比如说,在大学里可以扩展关于智能城市的知识。
不要想建立商业机制,而是要建立一个可以随意赚钱的环境。烦恼于商业机制,在找不到商业机制的情况下度过10年,还是面向10年后进行教育——这是今后是重点。

●お金が動くときの“根底”にある顧客心理

●金钱活动时处于“根本”的顾客心理

ETCを設置すると渋滞が解消され、ユーザーは大きなメリットを得ます。ですが、ユーザーである我々はそのメリットに対しお金を払いません。言い換えると、事業者によるサービス向上や人件費削減に対して、直接的にお金が払われることはありません。
年末年始に、神社には多くの人が集まります。無宗教であっても行く人がほとんどです。なぜ行くのでしょうか? なぜおさい銭箱にお金をいれるのでしょうか? みんなが二礼二拍手を行うのはなぜ? そこには日本の心があり、知らずしらずのうちに心が動かされているようです。

汽车设置ETC可以消除堵塞,用户可以获得很大的好处。但是,作为用户的我们对那个好处不用付款。换言之,对于经营者来说可以提高服务和削减人事费,虽然不会直接支付用户的ETC费用。
年末年初,神社里会聚集很多人。即使是无宗教信仰的人也几乎都去。为什么要去呢?为什么把钱放进香钱箱里呢?大家为什么要二礼二拍手呢?因为那里有日本的心,人民在不知不觉中被打动了。
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便利であることは良いことでありますが、どう便利なのか、心を動かす価値が入っているのかがポイントになってきます。そうでないと、スマートシティ事業もただ人件費を削減する企業や社会をつくるだけになってしまいます。

方便是好事,但是如何方便,是否有打动人心的价值是关键。如果不这样做的话,智能城市事业也只会造成削减人事费的企业和社会。

●2人の偉人の言葉から考えるマネタイズの期間

●从两位伟人的话语中思考的商业制度时间

マネタイズを考える上で、期間の設定はものすごく重要です。短期で儲けたいのか、長期的視点で儲けたいのかです。言い方を変えると、先払いですぐにお金が欲しいのか、後払いで後からたくさん儲けたいのかです。
軽井沢に雨宮 敬次郎氏という人がいました。緑豊かな軽井沢を作った人です。1876年に米国に渡り、何もない米国の土地が開墾によって生まれ変わる姿をみて、木も生えていない湿地帯だった軽井沢に、700万本もの木を植えていきました。以下は雨宮氏の言葉です。

在考虑商业制度的基础上,时间的设定非常重要。是想短期赚到钱,还是想从长期的角度赚。换言之,是想先马上就想要钱,还是之后再赚更多。
轻井泽有个叫雨宫敬次郎的人。他负责了轻井泽很大一部分的绿化。1876年远渡美国,看到美国荒地因开垦而脱胎换骨的样子,在没有树木的湿地轻井泽种了700万棵树。以下是雨宫氏的话。
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「私は木を植えるという、金の貯蓄ではなく木の貯蓄をやっている。生前の貯蓄ではなく死後のために貯蓄をやっているのだ」
雨宮氏が亡くなって110年。今の軽井沢があるのは彼のおかげであると言えます。最後に、ハマコーこと浜田 幸一氏批判を受けた時の言葉で締めくくりたいと思います。
「あと100年したら、必ずこの事業の意義がわかる」

“我说要种树,不是存钱,而是存树。不是为了生前而储蓄,而是为了死后而储蓄”
雨宫氏去世已有110年。可以说现在的轻井泽多亏了他。最后,我想用滨田幸一受到批评时的话来结束这篇文章。
“再过100年,人们一定会明白这个事业的意义。”