バージニア大学名誉教授のブルース・グレイソンは、約半世紀という長きにわたって、精神医学の見地から「臨死体験」を研究してきた。数多の体験談を聞いてきた彼によると、臨死体験には不思議にも共通している「感覚」があり、本人のその後の人生にも甚大な影響をもたらすという。

弗吉尼亚大学的名誉教授布鲁斯·格雷森在半个世纪中从精神医学的视点对“临死体验”进行研究。他已经听闻了太多的个人体验。他指出临死体验有着不可思议的共通的“感觉”,对本人以及今后的人生也有着巨大的影响。
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人々の興味を惹きつけてやまないこの現象は、現代科学でどう説明されうるのか?臨死体験を50年研究した今、人間について思うこととは?
「今なら、世界を完全に理解できる」
グレッグ・ノームは24歳のとき、滝つぼの激流に飲み込まれて溺れ、砂だらけの川床に何度も叩きつけられた。

对于这个十分吸引人兴趣的现象,现在科学又是如何解释的?对临死体验进行50年研究的现在,又是如何理解人类的?
“现在的话,我可以完全理解世界。”
格雷格·诺姆在24岁的时候,被瀑布的激流冲走,几次都被冲上了全是沙子的河床。

ところが、そこで彼は驚くべきものを見た。突然、子供時代の光景や自分でもほとんど忘れていた出来事、そして大人になったばかりの頃のいろいろな場面がはっきりとよみがえり、視界を埋め尽くしたのだ。
これらの記憶──それがそう呼べるものならば──は、鮮明で生き生きとしていた。ノームはこのとき、それらの出来事をもう一度体験し直していたのだろうか? そうとは言えない。それらは高速でほとんど一気に、波のように押し寄せてきたからだ。

不过,他确看到了令人吃惊的内容。突然孩童时代的光景和自己几乎都忘记的事情,以及刚刚成人时的情景各种各样的场面非常清晰回想起来,充满了视界。
这些记忆——如果还可以这样称呼的话——非常清晰十分活跃。诺姆难说这时候发生的事情可以再一次体验。这些都是高速的一下子像海浪一样涌了过来。

とはいえ、ノームはそのひとつひとつをしっかりと認識することができた。それどころか、彼は現実における周囲のものまでも完全に知覚していた。激しい水の流れや砂の川床も、すべて鮮やかにくっきりと見えていた。「聴覚も視覚も、かつてないほどに研ぎ澄まされていました」と、のちに彼は回想している。

不过诺姆将其中一点一滴都明确认知了。不仅如此,连现实中周围的情况也完全感知着。激烈的水流和沙子的河床,全部都鲜明看到。他回想说,视觉和听觉都是处于前所未有的清晰之中。

そして、水の中に沈んで出られないのにもかかわらず、彼は冷静で安らかな気持ちだった。これまでの自分は、感覚がどこか鈍っていたに違いない。だって今なら、世界を完全に理解できるし、宇宙の本当の意味すらわかるかもしれないのだから──そう考えていたのをノームは覚えている。
しかしやがて、イメージはかすんでいった。次に見えたのは、「暗闇だけでした」とノームは言う。「そして今にも何かが起こる、その前の小休止という感じがしたんです」

而且虽然他处于沉在水中无法出来的情况,但是却是有着冷静和安宁的心情。和至今为止感觉迟钝的自己完全不同。感觉现在的话,就可以完全理解世界,说不定连宇宙的本质也可以认识——诺姆记得当时有着这样的想法。
不过诺姆说,最终这种印象也慢慢模糊了,之后看到的仅仅是黑暗。而且之后也一定会发生些什么,现在只是这之前的小休止符罢了。

臨死体験との「出会い」
それから4年後の1985年、コネティカット州で開かれた支援グループの会合で、ノームはこのときの体験について語った。彼は生還したが、死にかけた際にどうしてあのような精神状態になったのかを知りたいと思っていた。
その会合を主催したのは、精神科医で現在はバージニア大学名誉教授の、ブルース・グレイソンだ。

临死体验和“相会”
这4年后的1985年,康涅狄格州召开的支援小组的聚会上,诺姆谈及了那时候的体验。虽然他生还了,但是我想知道他在生死之际处于怎样的精神状态。
主办这次聚会的就是作为精神科医生现在是弗吉尼亚大学名誉教授的布鲁斯·格雷森。

グレイソンは長年にわたり、こうした体験談を聞いてきた。1960年代、精神科の研修を始めて1ヵ月が経とうとする頃、グレイソンは、「病院のベッドで意識不明になっている間に、自分の身体から魂が離脱していた」と主張する患者に遭遇した。
そして、この患者はのちに、「別の空間で」起こったというその出来事について、正確に描写したのだった。
グレイソンには訳がわからなかった。「私は科学的にものを考える家庭の出身なんです」と彼は言う。「父は化学者でした。ですから私も、物質的な世界がすべてだと思って育ちました」
きっと誰かが患者に入れ知恵でもしたのだろう、と彼は考えた。「身体から離脱するなんていったいどういうことなのか、意味がわからない」と思ったという。

格雷森就这样常年倾听这样的体验内容。1960年代,在开始精神科研修1个月的时候,格雷森遭遇了主张自己在病床上意识不明时灵魂脱离自己身体的患者。
这个患者之后,正确描述了在别的空间内发生的事情。
格雷森完全无法理解这个事实。他说,自己是科学思维的家庭出身。“父亲是化学家。所以我从小就认为世界是由物质构成的。”
他想,一定是谁见了患者给他说了吧。“脱离身体到底是什么意识,完全无法理解。”

半世紀にわたる情熱
それからずっと、グレイソンはそんな話は忘れてしまおうとした。けれども、医者に死亡したと判断されてから、あるいは死に近いと思しき状態になってから生に引き戻されるまでの間に、あの世に行ったかのような体験をした人々の強烈な話を、彼はたびたび聞くことになる。
1975年にベストセラーになった『かいまみた死後の世界』において、著者であり、かつてグレイソンの同僚だったこともある精神科医レイモンド・ムーディは、この手の体験を「臨死体験」(near-death experiences, NDEs)と呼び、この名が定着した。

跨越半个世界的热情
从那之后,格雷森极力想要忘记那个事情。不过对于被医生判断死亡,或者是接近死亡的人,苏生过程中去到彼岸世界的体验,他时常听说这些内容。
1975年,大卖的《窥见死后的世界》中,作为作者同时也是格雷森同僚的精神科医生雷蒙德·穆迪将这种体验称为“临死体验”,从此定名了。

「そのとき初めて、これは私が出会ったその患者一人だけの問題ではないと思ったのです」とグレイソンは言う。「一般的な現象なんだ、と」
こうして彼は、この種の体験談の特性や、そこから浮かんでくる疑問に関心をもつようになった。なかでも最大の疑問はおそらく、「人が死ぬときに何が起こるのか」ということだろう。

格雷森说那时候他第一次认为这不是他遇见的那个患者一个人的问题,而是一般现象。
于是他对于这类体验谈的特性和之中浮现的疑问开始关心了。其中最大的疑问就是人在死亡的时候究竟会发生什么了。

「私はそれにのめり込んでいきました。そして50年経った今も、答えを求めているのです」
人はなぜ臨死体験に惹かれるのか
臨死体験は新しい現象ではない。プラトンによれば、ソクラテスも体験したというし、大プリニウスも自らの体験を記録に残している(1世紀のことだ)。また、崖から落ちた登山家が恐怖よりも至福を感じたという例は、歴史上にたくさんある。

“于是我就沉溺进去了。就算过了50年,现在我依然在追求着答案。”
人为什么会被临死体验所吸引
临死体验并非是新现象。根据柏拉图所言,苏格拉底也体验过,普锐斯也留下自己体验的记录。而且,那些从山崖上坠落的登山家体会到的是比恐怖更加幸福的例子,在历史上也有很多。

しかし、私たちは今なお変わらず、臨死体験の意味を知ろうと夢中になっている。ポピュラーカルチャーのなかにも、臨死体験のモチーフはふんだんに散りばめられている。
昨年、筆者は4歳の息子と一緒にディズニー映画『ソウルフル・ワールド』を観た。この作品は小さな子供たちに臨死体験を紹介し、意識、死後の世界、そして私たちを私たちたらしめている目には見えないものについて考察している。
コンピュータ中心のこの時代、私たちは「正しく」生きるように促す物語をもてはやす傾向にある。よくあるのは、あらゆる瞬間に感謝し、ありのまま受け入れること、それに権力や名声や物質的な豊かさを求めるよりも、経験や人間関係を大切にするといったことだ。(平たく言えば、それが『ソウルフル・ワールド』のプロットだ)。

不过,我们现在仍然热心想要知道临死体验的意义。在流行文化中,以临死体验为主题的内容也时常散落其中。
去年,笔者和4岁的儿子一起看了迪士尼动画“心灵奇旅”。这个作品向小孩子介绍了临死体验,考察了意识、死后的世界这些我们看不到东西。
以电脑为中心的时代,我们有赞赏那些促进我们“正确”生活的故事。经常出现的是那种,要感谢各种瞬间,将一切接受的故事。比起追求权利、名声和物质上的富有,更要珍视经验和人际关系这种。

誰もがそのように生きられるわけではなく、私たちの多くはそういう生き方をしていないわけだが、それでも、この世での貴重な時間をむだにしないように、正しく生きるべきだとは感じている。
それゆえ、私たちは臨死のモチーフがある物語に心惹かれるし、文化のなかでそのような物語が好まれ続けてきたのだ。臨死の物語は私たちにこう問いかける。
「もう一度チャンスがあったとしたら、どんなふうに生きる?」

并非是所有人都是这样生活的,但是正因为很多人并不是过着这样的生活,所以才希望不要浪费活在世上的珍贵的时间,好好正确生活。
因此,我们才会被临死的主题所吸引,文化中也一直喜欢类似的故事。临死相关的故事这样向我们询问。
“如果有再来一次的机会,你会怎样生活呢?”